【小ネタ】ChatGPTでアクセス可能なURLを検証

作成日: 2023/05/01, 更新日: 2023/05/01

ChatGPTは2021年までの情報を元に回答してくれます。
2021年以降の情報が必要な質問をする場合、最新の情報を含めた質問を投げることで、推測で回答してくれます。
今回はChatGPTに投げる質問にURLを含めた場合、どのようなURLでもアクセスして確認してくれるのか検証してみました。

はじめに
検証方法
検証結果

はじめに

基本的には、ChatGPT は URL を確認するようにメッセージしても良い返答を返してくれません。
例えば、本サイトのホームの URL を含めたざっくりとした質問を ChatGPT へ投げたところ、Web スクライピングのようなことはできないよ、と怒られてしまいました。

質問を変えることによって、URL 先の内容を踏まえた回答をしてくれます。
例えば、本サイトのページ内にある参考サイトを要約してという質問には回答してくれました。
- ちなみに、質問で投げている当サイトの URL は 2021 年には存在していません。

同じ質問でも、URL によって回答が異なります。
本サイトの記事の一覧化はしてくれませんでしたが、Amazon のブログの記事の一覧化はしてくれました。
- 2021 年時点の情報があれば回答してくれるようですね。

検証方法

今回の検証では、URL 先の内容が見れていることがわかるよう、 gitignore/Terraform.gitignore at main · github/gitignore を変更する指示を投げてみました。
質問は以下のものを利用します。

・「${URL}」のファイルをどのように変更すれば良いか教えてください。
・変更する内容はPythonのGitPatchで読み込めるようにしてください。
・細かい解説は不要です。GitPatch形式の変更内容のみ返してください。
・変更内容は以下のとおりです。
コメントをすべて削除してください

ChatGPT Plus に入会していますが、Model は Default (GPT-3.5) を利用します。

検証パターンとして、以下の 7 パターンを確認してみます。

1. Google 検索エンジンに登録されているサイトの URL（.github.com ドメイン）
2. Google 検索エンジンに登録されているサイトの URL（GIP）
3. Google Cloud の Compute Engine で作成した Apache サイトの URL（.cont-aid.com ドメイン）
4. Google Cloud の Compute Engine で作成した Apache サイトの URL（GIP）
5. Google Cloud の Cloud Functions で 生成したサイトの URL（.cloudfunctions.net ドメイン）
6. Google Cloud の Cloud Functions で 生成したサイトの URL（.cont-aid.com ドメイン）
7. 公開されたクラウドストレージ（.google.com ドメイン）

Compute Engine は以下のサイトを参考に Apache をインストールし、index.html ファイルへ Terraform.gitignore ファイルをそのまま貼り付けました。
- TLS 化していないので、HTTP でアクセスいたします。

Cloud Functions は Python で Flask を利用し、特定のバケット配下にあるファイルを取得できるようにしてます。
- 「Cloud Storage のバケットのファイルを一覧化する関数」と「ファイルの内容を表示する関数」の 2 つの Function を用意します。

以下は「Cloud Storage のバケットのファイルを一覧化する関数」です。


          import os
          from flask import Flask, render_template, request
          from google.cloud import storage

          app = Flask(__name__)

          @app.route("/")
          def show_file(request):
              client = storage.Client()
              bucket_name = os.environ["BUCKET_NAME"]
              bucket = client.bucket(bucket_name)

              filename = request.args.get('filename', '')
              blob = bucket.blob(filename)
              content = blob.download_as_string().decode('utf-8')

              lines = content.split('\n')
              line_count = len(lines)

              return render_template('index.html', filename=filename, content=content, line_count=line_count)

          if __name__ == "__main__":
              app.run(debug=True, host='0.0.0.0', port=80)

以下は「Cloud Storage のバケットのファイルを一覧化する関数」で読み込む index.html ファイルです。


          <!DOCTYPE html>
          <html lang="en">
          <head>
              <meta charset="UTF-8">
              <title>Google Cloud Storageファイル一覧</title>
              <link rel="stylesheet" href="{{ url_for('static', filename='style.css') }}">
          </head>
          <body>
              <div class="sidebar">
                  <ul>
                      {% for folder in folders %}
                          <li>{{ folder }}</li>
                      {% endfor %}
                  </ul>
              </div>
              <div class="main">
                  <h1>Google Cloud Storageファイル一覧</h1>
                  <table class="table">
                      <thead>
                          <tr>
                              <th>ファイル名</th>
                              <th>更新日時</th>
                              <th>サイズ</th>
                          </tr>
                      </thead>
                      <tbody>
                          {% for file in files %}
                              <tr>
                                  <td><a href="https://us-central1-gcos-202303.cloudfunctions.net/show_file?filename={{ file }}">{{ file }}</a></td>
                                  <td>{{ file.updated }}</td>
                                  <td>{{ file.size }}</td>
                              </tr>
                          {% endfor %}
                      </tbody>
                  </table>
              </div>
          </body>
          </html>

以下は「ファイルの内容を表示する関数」です。
- URL のパスパラメータでファイル名を指定し、指定されたファイルの内容を表示させてます。


          import os
          import logging
          from flask import Flask, render_template, request
          from google.cloud import storage

          app = Flask(__name__)

          # ロギングの設定
          logging.basicConfig(level=logging.DEBUG)

          @app.route("/")
          def list_files(request):
              logging.debug('list_files 関数が呼ばれました')

              client = storage.Client()
              bucket_name = os.environ["BUCKET_NAME"]
              bucket = client.bucket(bucket_name)

              files = []
              for blob in bucket.list_blobs(prefix="source_codes/"):
                  if not blob.name.endswith('/'):
                      files.append(blob.name)

              logging.debug(f'files: {files}')

              folders = set([file.split['/'](0) for file in files])
              logging.debug(f'folders: {folders}')

              return render_template('index.html', files=files, folders=folders)

          if __name__ == "__main__":
              app.run(debug=True, host='0.0.0.0', port=80)

以下は「ファイルの内容を表示する関数」で読み込む index.html ファイルです。


          <!DOCTYPE html>
          <html lang="en">
          <head>
              <meta charset="UTF-8">
              <title>{{ filename }} - Google Cloud Storageファイル表示</title>
              <link rel="stylesheet" href="{{ url_for('static', filename='style.css') }}">
          </head>
          <body>
              <div class="sidebar">
                  <ul>
                      {% for folder in folders %}
                          <li>{{ folder }}</li>
                      {% endfor %}
                  </ul>
              </div>
              <div class="main">
                  <h1>{{ filename }}</h1>
                  <pre class="pre">{{ content }}</pre>
                  <p>行数: {{ line_count }}</p>
              </div>
          </body>
          </html>

クラウドストレージは Google ドライブを利用し、 Terraform.gitignore の内容をスプレッドシートへ貼り付けて共有して「リンクを知っている全員」がアクセスできるように設定します。

検証結果

先に結論として検証結果を以下にまとめました。

検証内容	検証結果
1. Google 検索エンジンに登録されているサイトの URL（.github.com ドメイン）	○
2. Google 検索エンジンに登録されているサイトの URL（GIP）	○
3. Google Cloud の Compute Engine で作成した Apache サイトの URL（.cont-aid.com ドメイン）	×
4. Google Cloud の Compute Engine で作成した Apache サイトの URL（GIP）	×
5. Google Cloud の Cloud Functions で生成したサイトの URL（.cloudfunctions.net ドメイン）	○
6. Google Cloud の Cloud Functions で生成したサイトの URL（.cont-aid.com ドメイン）	○
7. 公開されたクラウドストレージ（.google.com ドメイン）	×

検証はしたものの、イマイチどのような法則でアクセスしても良いか否か判断しているのかわかりません。。。
GIP とドメインどちらでも Chat GPT で URL へアクセスしてくれていることから、 GIP/ドメインの違いによるアクセス可否判断はしていない ことはわかります。
また、Google ドライブの URL はスプレッドシートであることが回答として返ってきていることから、 ドメインによるアクセス可否判断はしている可能性がある ことがわかります。