【小ネタ】GitHub Copilot Chat を PyAutoGUI を利用し CLI 化してみた

作成日: 2025/06/28, 更新日: 2025/06/28

GitHub Copilot Chat は、GitHub が提供する AI を活用したコード補完機能です。
GitHub Copilot Chat を利用することで、コードの補完や修正を行うことができます。
しかし、GitHub Copilot Chat は VSCode の拡張機能として提供されており、2025年6月時点では GitHub CLI コマンドとしては提供されていません。
本記事では、GitHub Copilot Chat を PyAutoGUI を利用して CLI 化する方法を紹介いたします。
GitHub Copilot CLI と命名させていただきましたが、非公式のツールであり、GitHub Copilot Chat の機能を完全に再現するものではありません。
かなり環境依存性の高い方法となっており、利用ケースも限られておりますので、自己責任での利用をお願いいたします。

GitHub Copilot CLI の動作画面
前提条件・注意事項
セットアップ手順
実行手順
1. 1. CLI オプションでの実行
2. 2. spec.yml によるバッチ実行例

GitHub Copilot CLI の動作画面

ソースコードは以下の GitHub レポジトリで公開しています。

kanji-shinohara/github-copilot-cli

github-copilot-cli （自作 CLI ツール）を PyAutoGUI で自動化した際の動作イメージは以下の動画で確認できます。

CLI のオプションで GitHub Copilot Chat を CLI から操作する動画

<spec.yml に操作するレポジトリを指定してバッチ実行する動画>

spec.yml に操作するレポジトリを指定してバッチ実行する動画

前提条件・注意事項

github-copilot-cli を実行するための前提条件は以下の通りです。

OS・環境
- macOS（PyAutoGUI は Windows/Linux でも動作しますが、macOS でしか動作しないように設定されています）
- Python 3.8 以上
- pip, git, gh CLI（GitHub CLI）
- Visual Studio Code（アプリとしてインストール済み）
VSCode
- 本スクリプトは「VSCode（通常版）」を自動起動します。
- VSCode Insiders（Insiders 版）を使いたい場合は、 exec_github_copilot_chat.py 内の open_vscode_with_file 関数で起動パスを "/Applications/Visual Studio Code - Insiders.app" へ変更してください。
- VSCode のキーバインドは以下を設定する必要があります。
  - GitHub Copilot Chat パネルの起動: command + shift + i (デフォルト)
  - GitHub Copilot Chat で新しいチャットを開始: ctrl + l (デフォルト)
  - GitHub Copilot Chat の承認: command + enter (デフォルト)
  - すべてのタブを閉じる: command + k → command + w (デフォルト)
  - すべてのファイルを保存: command + k → a
Python で必要なパッケージ
- PyAutoGUI
- PyYAML
- Pillow
- pytesseract
- pygetwindow
Mac の権限
- スクリプトを実行した際に Mac のセキュリティ設定で権限付与を求められる場合があります。求められた場合は、一度スクリプトを停止し権限を付与してください。

requirements.txt :

PyAutoGUI
PyYAML
pillow
pytesseract
pygetwindow

この CLI を利用する上での注意点は以下の通りです。

GitHub Copilot Chat へ投稿するプロンプトは英語のみ対応しております。
PyAutoGUI による画面操作は他の作業と干渉する場合があります。他の操作を行わないように注意してください。
OCR（pytesseract）で GitHub Copilot Chat の応答完了を検知するため、マルチディスプレイの環境やウィンドウの配置に注意が必要です。
環境によっては、動作を実行するまでの待機時間が適切ではない可能性があります。config.yml で sleep 秒数など細かく調整してください。
GitHub Copilot Chat 拡張のバージョンや UI 変更により自動化が動作しなくなる場合があります。
gh CLI や GitHub Copilot の認証・サブスクリプション状態を事前に確認し、動作できることを確認してください。
VSCode を起動後に右下にポップアップが表示される場合、VSCode の設定を変更しポップアップを非表示にする必要があります。例えば、推奨拡張機能や起動時のエラー通知などが表示されることがあります。これらのポップアップは OCR に影響を与える可能性があります。

以上、さまざまな注意点がありますが、これらの注意点を理解したうえで必要に応じてスクリプトを変更しながら利用する必要があります。
ツールとして作ってみたものの、かなり保守難易度が高いので、スクリプトの改修ができない場合は正式に CLI が提供されるまで待った方が良いかもしれません。

セットアップ手順

1. リポジトリのクローン

gh repo clone kanji-shinohara/github-copilot-cli
cd github-copilot-cli

2. Python 仮想環境の作成とパッケージインストール

python3 -m venv venv
source venv/bin/activate
pip install -r requirements.txt

3. gh CLI のセットアップ

brew install gh  # または公式手順でインストール
gh auth login

4. VSCode と Copilot Chat 拡張のインストール

VSCode 本体と Copilot Chat 拡張をインストールしてください。
GitHub Copilot Chat のプロンプトの完了は英語にしか対応していないため、日本語化するプラグインは利用しないでください。

5. config.yml の調整（任意）

github_copilot_cli/config/config.yml で sleep 秒数などを調整できます。

実行手順

github-copilot-cli の実行方法は、CLI オプションで Copilot Chat の操作内容を指定する方法と、 spec.yml でバッチ実行する方法があります。

1. CLI オプションでの実行

python github_copilot_cli.py \
--file <ファイルパス> \
--working_directory <作業ディレクトリ> \
--chat_message "<チャットメッセージ>"

実行例:

python github_copilot_cli.py \
--file README.md \
--working_directory /Users/user01/Desktop/github-copilot-cli \
--chat_message "Write the README for this repository."

2. spec.yml によるバッチ実行例

python github_copilot_cli.py \
--spec_file <spec.yml のパス>

実行例：

python github_copilot_cli.py \
--spec_file spec.yml